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ニューヨークで社交界の花と謳われ、富豪の優しい夫とセレブライフをおくっていた美しいジャスミン（ケイト・ブランシェット）。こどもも義理の息子とはいえ、ハーバードで1番の優秀な成績で、誰もが羨む絵に描いたように幸せだった。しかし、夫の事業の成功は詐欺によるもので、ある日突然FBIに逮捕され、キャリアのないジャスミンは、セレブ生活も自慢の息子も何もかも失い、自分とは資質なく貧しい暮らしをするシングルマザーの妹・ジンジャーのアパートに身を寄せる以外に生きていくすべがなくなった。
生活が破たんしてもシャネルの白いジャケットを羽織り、パーティーにはゴールドのドレスで参加。講習費を稼ごうとデンタルクリニックで受付嬢をすれば歯医者に言い寄られ、パーティーに参加すればハンサムな外交官に交際を申し込まれる美しいジャスミン、美貌だけが武器。歯医者なんか目じゃなわ、とばかりに彼を払いのけ、外交官には経歴を詐称して見栄を張るジャスミン。優雅であればあるほど、美しさが際立つほど、ブルーに、哀れに見えるのが、見ていて本当に痛々しい。
対するジンジャーは、美しくもなく、スーパーに勤め、ジャスミンじゃなくてもやめておいた方がいいよ、と言いたくなるダメンズと交際しているが、何もかも失ったジャスミンを受けいれるやさしさを持っている。
美貌も賢さもないけど現状に満足する妹と、あくまで妥協しない完ぺきなジャスミン、この2人を対照させると、ジンジャーの方が幸せなんじゃないかと思え、またさらにジャスミンが哀れに見える。
後半で明らかになる、夫の逮捕につながるシーンでのジャスミンがいちばん哀れ、結局、いくらセレブライフを送っていても、人に必要なのは、夫や家族の愛情だけ、それがなければ他になにがあっても不幸。
セレブがうらやましくなくなりますよ。
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