★★★★
アジアンシンデレラストーリー ♪
ケヴィン・クワン原作のベストセラー『クレイジー・リッチ・アジアンズ』の映画化作品。
ストーリーはシンプル。ルーツは中国人でもアメリカ国籍でニューヨーク大学の経済学部の若手教授として活躍しているレイチェル・チューがイケメンチャイニーズ、実は世界有数の資産家御曹司ニック・ヤングと結婚するまでのお話し。
ニックは、レイチェルを家族に紹介するために、親友の結婚式出席を口実に自分の実家があるシンガポールに連れて行く。シンガポールで初めて彼が『ウイリアム王子並の』御曹司と知って戸惑うレイチェルだったが、ニックの母親が彼女を受け入れない態度を隠そうともしないため、持ち前の負けん気で何とか自分を認めさせるよう奮闘する。
ニックの母親エレノアは、結婚して家族ファーストに生きるためにケンブリッジ大学を中退した美しき才媛。人生のすべてを家族に捧げ、彼女なしではヤング家が成立しないのは義母以外の誰もが認めるところだった。そんなエレノアは、シングルマザーに育てられた貧しい育ちで、外見は中国人でも中身はアメリカ人の『バナナ』のレイチェルが、社交界に溶け込んで家と伝統を守りながらニックを幸せにすることはできないと信じている。レイチェルが友人の手を借りて外見は美しく装い、ニックの親友の結婚式で知人の大学教授と懇談しつつ場に溶け込むことに感嘆しながらも、彼女が家族のために生きることだけは無理だととの考えは変わらない。
レイチェルが自分の家族に受け入れられないと知ったニックは、「家族を捨てても彼女と結婚する」と彼女にプロポーズするが、レイチェルは、ニックが家族を捨てたら彼が一生幸せになれないからとプロポーズを断る。レイチェルはそのことをエレノアに告げ、シンガポールを去ろうとする。
家族ファーストのエレノアが、息子の幸せのためにした賢い選択。それは自分の結婚指輪を息子に託して自分がレイチェルを受け入れることを彼女に示してあげたこと。狭いエコノミークラスの通路でイケメンのニックが跪いて大きなエメラルドの指輪でプロポーズするシーンは感動的で泣けてきちゃいます。
言ってみれば御曹司ニックの母親エレノアが、息子が連れてきたレイチェルを気に入らないだけ。エレノアだっていくら頑張っても、今でも姑に事あるごとに辛く当たられ苦労してきたのに、息子が勝手に連れてきた「lower class」の彼女が気にいらず、結婚の邪魔をしようとする。これは永遠のテーマ。エレノアが姑の意に沿わなかったのは家柄だったりしたのが、エレノアはレイチェルが『バナナだから』と現代風にアレンジされていうるだけとも言える。
ストーリーがシンプルだからこそ、中国系アメリカ人の立場やクレイジーリッチな人たちの苦悩やおバカぶりも際立っておもしろい、映画館は笑いにも包まれていました。
キャストはオールアジア系ですが、みんなスタイルもよく、ビジュアル的にもまあ良かったと思います。
エンタメ系としてはかなり楽しめる映画だと思います。