★5つ 超リアル、後妻業の内幕!筧容疑者ひとりじゃできない後妻業。
結婚相談所の会員の69歳の小夜子は、その結婚相談所の所長柏木から資産家の老人を紹介してもらい、資産家の老人と結婚、死別、財産取得を繰り返す。小夜子と所長は資産家の老人の財産狙いの共犯なのである。このからくりは冒頭から明らかなのでネタバレにはならない。小夜子と柏木の後妻業を暴こうとする元刑事の探偵本多との絡みが本筋。
以前週間文春で著者の黒川博行さんが、警察OBの人には事件の内容だったかを聞くことがある、と言っていた。
筧容疑者の事件も、2年前に死亡した男性から青酸カリが検出されており、前々から捜査が進んでいて、黒川さんは事件のことを知っていてのかなあ、と思うほどタイムリーかつリアルな出版。
筧容疑者の事件では同じ週刊文春が、東大法学部卒業の弁護士が筧容疑者の公正証書作成に何度も関与していたと報じている。
その弁護士が在籍していた法律事務所の当該弁護士のプロフィールは現在削除されていて見られない。
う~ん、やっぱり超リアル!
伴侶をなくした老人の寂しさに付け込む後妻業。
この小説は、そういった老人に付け込む小夜子や柏木の罪悪感のなさを際立たせ、本多もまた自分の欲望のためにその悪事を暴こうとする様を大阪弁の短いセリフで進めていく。
後妻業の内幕とそれを取り巻く人達のエゴがこれでもかと書かれていて、表紙の絵の通り、内容もいわゆるエグく、ある意味読後感のよい小説とは言えないかもしれませんが、こういった老人の寂しさに付け込み自分の欲のために命まで平気で奪える人たちの心境はこういったものかもしれないな、と、これもリアルに感じます。
一文も短くテンポがよいので一気に読めます。
こういった犯罪の内幕を知るにはよい、という意味で★5つ!
後妻業 黒川博行
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