最強のふたり

最強のふたりの最高の笑顔・・・人生にはなお希望があることを再確認させてくれる名作です   ★5つ

パラグライダーの事故の頚椎損傷のため、首から下が全く動かせない大富豪の障害者フィリップ。失業保険獲得目当てのためだけにフィリップの介護者の面接に来たスラム街出身の黒人ドリス。フィリップは、多数の面接者から、自分を障害者として同情しないドリスを選ぶ。

フィリップにないのは、ドリスのような強靭な肉体。ドリスは、そんなことは意に介さず、フィリップに健常者ができることをなるべくさせてあげようとする。ドリスは、フィリップを車椅子に乗せるときも、フィリップを抱いたままダンスしてみたり、したい放題。障害者用の車ではなく、マセラッティに乗せたり、夜中の散歩に連れ出したり、周囲がハラハラするようなことも平気でする。でも、フィリップはそんなドリスに自分の身を任せるままにするほどドリスに深い信頼を寄せる。圧巻は、フィリップの誕生日会に、ムーンウォークダンスを始めて、動けないフィリップの目の前でダンスすることを躊躇する親類まで巻き込んで大ダンス大会を繰り広げるシーン。ダンスができないのはフィリップだけ。でも、フィリップはそんな愉快な誕生日会を心から楽しむ。

ドリスにないのは、フィリップが持っている知性と富。ドリスには生きる目的もなかった。
ドリスはフィリップの住む自分とは無縁だった生活を垣間見るうちに、抽象画を描いてみたりと、生きることを模索し始める。フィリップはそんなドリスの絵を知人に高額で買い取らせてドリスを応援する。2人は、お互いに自分になくて相手にあるものを羨んだりせず、ないものを補いあって友情を築いて互いに笑顔を取り戻す。特にラストのドリスの笑顔は、フィリップを想う気持ちが溢れていて深い感動と余韻を残す最高の笑顔です。それを察したフィリオプの泣き笑いの笑顔も最高。

派手な演出はありませんが、フランス映画らしいエスプリの効いた会話と、アメリカ音楽がところどころに挿入されることによって、思いテーマも程よく軽くlなり、しゃれた感じに仕上がっていいます。
とても名作だと思います。